「メカゴジラ操作のために
ギドラの首が2つ使われている」
APEXサイバネティックスの技術者であり、陰謀論者および内部告発者
バーニー・ヘイズが語ったこの事は、
はたして彼の単なる憶測なのでしょうか?‥‥いや、そうだとばかりは言えません。
実は映画内では明らかになってない動きがあるのではないか、と
海外ではこれについて、さまざまな推察がなされています。
その興味深い詳細に触れる前に、まずは
映画内でバーニーの語るシーンを振り返ってみます
(訳は私訳・字幕・吹替の順に記しています)。
マディソン “Oh, my God”
「ええ? これは‥‥」
【字幕】 これは…
【吹替】 ああ…何これ
バーニー “Bitch, wha~t ?”
「とんでもねーモンがあるな
何だぁ~こりゃあ?」
【字幕】 スゲえな
【吹替】 クソッ 何だ?
ジョシュ “It's a Titan skull”
「タイタンの頭蓋骨だ」
【字幕】 巨大生物の頭蓋骨
【吹替】 怪獣の頭蓋骨
バーニー “No, no, no, no, no. That's not just any Titan. That's MonsterZero”
「いやいや いやいや。
ありゃあ ただのタイタンじゃねぇ。
モンスター・ゼロだ」
【字幕】 ただの巨大生物じゃない
モンスター・ゼロだ
【吹替】 いやいや いやいや
ただの怪獣じゃねぇ モンスター・ゼロだ
マディソン “(息をのむ) Ghidorah”
「ギドラ…」
【字幕】 ギドラ
【吹替】 ギドラ
バーニー “They hardwired its DNA.
Self-generating neural pathways capable of intuitive learning”
「奴ら ギドラのDNAを
直接ぶち込みやがった。
直感学習出来る 自己生成型神経回路だ」
【字幕】 DNAに接続し─
神経回路を自己生成させ 直感学習を…
【吹替】 DNAをコンピューターに再構築
神経回路を自己再生 直感学習能力を持たせた
ジョシュ “Okay, I'm smart, but I only go to high school”
「う~ん 僕アタマいいほうだけど、
まだ高校生だから 何が何だかさっぱり」
【字幕】 意味 分からない
【吹替】 僕 高校生 何言ってるか分からない
バーニー “It's a living supercomputer”
「生きたスーパーコンピュータだよ!」
【字幕】 生きる スーパーコンピューターだ
【吹替】 生きてるスパコンってことだ
ジョシュ “Shh”
「シーッ」
【字幕】 (訳なし)
【吹替】 シーッ
バーニー “It had three heads”
「(ため息) こいつは頭が3つあったが」
【字幕】 頭は3つあった
【吹替】 ハア… 頭は3つあった
“It's necks were so long,
they communicated telepathically”
「首が長いから、テレパシーで会話したんだ」
【字幕】 首は長く 意志疎通はテレパシー
【吹替】 首は長く テレパシーで 意志を通わせてた
“And there's one here and another one inside of that thing”
「1つがこいつで、
もう1つが あのメカゴジラの中」
【字幕】 頭の1つが メカゴジラの中にあり─
【吹替】 ここに1つ
もう1つの頭は メカゴジラん中だ
“Yeah, it could be a psionic interface”
「ぶっ飛びだぜ、
サイキック(超常的)操縦システムかよ」
【字幕】 精神感応で操作を…
【吹替】 テレパシーで あれを操ってる
─以上がバーニーの推察ですが、
この解説を軸に、公式で見え隠れしている様々なソースを組み合わせて明らかになる物語の背景を、
The Kaijuologist (Stephen Miller)氏のレポートを翻訳し、以下から掲載します。『ゴジラvsコング』で、
陰謀論者バーニー・ヘイズによって
メカゴジラの操縦にギドラの頭蓋骨が
2つ必要であることが明かされました。
なぜ2つなのかというと、
ギドラは3つの首それぞれがテレパシーでコミュニケーションを取る性質があるらしく、
APEXはこの能力を利用して、
外部のパイロットからメカゴジラに
超常的あるいは心霊的方式で指示を送ることができるスーパーコンピューターを作ろうとしていました。
しかし、ここでひとつの疑問が生じます。
前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』でギドラ自身はゴジラによって完全焼失されており、
ポスト・クレジットシーンで、エコ・テロリストのリーダー アラン・ジョナが入手出来たのは
物語の中盤、ゴジラによってもぎ取られ、海に沈んだギドラの頭部1つだけです。
そのため、
メカゴジラの操縦に必要な、もう1つの頭部を、
どこから手に入れられたのかという疑問が生じます。
映画本編でこの疑問に対する明確な答えはありませんが、出版された映画の公式ノベライズ(小説)と、
後に記しますが
完成された映画本編には含まれていない、2019年にロシアで開催された シネマエキスポでのティーザー予告の内容に基づき、
幻のもう1つの頭蓋骨の由来を推測することができます。
※ 注】 この2019年にロシアで公開されたティーザー予告の内容については、過去に当ブログでも取り上げ掲載しました。
これは2019年09月18日 ~ 2019年09月20日、ロシア サンクトペテルブルグで開催された『キノエキスポ-XXI国際コンベンション&展示会』と思われ、
この時点で
ゴジラとコングは、体高ほぼ同じサイズ。
母艦の左側にゴジラ、右側にコング。
コングがゴジラを殴る。ゴジラは余裕綽々。
─といった初めての内容がレポートされ、
半信半疑だった人々も、
後の2021年になってから、
公式全世界版や日本版のトレーラー、そして公開された実際の映画で同様のシーンを観る事になりました。
この様子からも、レポートの信憑性はかなり高いと思われます。
では再び
The Kaijuologist 氏のレポート翻訳を続けます。さて、
幻のもう1つの頭蓋骨の由来ですが
『ゴジラvsコング』公式ノベライズの
冒頭概要によれば、
APEXサイバネティックスのCEOウォルター・シモンズが、
(名は記されてませんが)前作『キング・オブ・モンスターズ』のテロリスト
アラン・ジョナ(と判明出来る人物)と対面しています。
その男はシモンズに、
自分が入手したギドラの頭蓋骨の写真を見せます。
シモンズは興味を示しながらも、
2つあれば…と持ちかけました。
すると男は
頭蓋骨を2つ持っていると告げます。
この頭蓋骨2つ購入のため、シモンズは自分の複数ある銀行口座のいくつかを空にするほどの出資をして、取引を成立させます。
※ 注】 ここの詳細を、もうひとつ別のレポートから引用してみます。
『GvK』ノベライズ版では、
ジョナであると はっきり暗示される男が、フロリダ州ペンサコーラのオフィスでウォルター・シモンズと
ダークウェブ(通常の検索エンジンではアクセスできない、違法性の高い情報や物品が多く扱われているウェブサイト)で接触し、大金と引き換えにギドラの頭蓋骨2個(2個目の頭蓋骨の出所は不明)を提供している。─Gojipedia
さらにノベライズでは、
ゴジラがフロリダのAPEX施設を襲った後、
カイル・チャンドラー演じるモナークのマーク・ラッセルが記者たちに囲まれた中で、
「突然のゴジラ襲撃は、
ギドラがまだ生きていて、北極に眠っているという噂と
何か関係があるのではないか」
という質問を受けていました。
ノベライズの中では、この噂について他に何も言及されていませんが、
このギドラの存在については、
先に記したロシアで上映されたティーザー予告の内容とリンクしていると考えられます。
ロシアのティーザー予告の内容では、
スカルスガルド演じる主人公(現在はネイサン・リンドと判明)が
氷河のような神殿の要塞
に入っていく様子が映し出されています。天空に雷が鳴り響き、そこでは
鎖で縛られたギドラが荒れ狂っている
様子が映し出され、正体不明の軍隊に囲まれています。
─この時の映像は完成された映画には使われませんでした(おそらく日の目を見ることはないでしょう)が、
ノベライズに出てくる
「ギドラがまだ生きていて、北極にいる」という噂とリンクする内容です。
情報を組み合わせると、
ジョナのエコ・テロリストたちは、
『キング・オブ・ザ・モンスターズ』で購入した1つの頭部を使ってギドラを再生・復活させる方法を見つけたと推測できます。
そしてその保管場所として、
人目のつかない北極が最も安全な場所だと考えたのです。こうして現代のヒュドラが全身を再生している間に、
ジョナはこの地球外生物ギドラの体の一部を採取し、ブラックマーケットやAPEXのような企業に売っていたのでしょう。
売買された2つの頭蓋骨は、再生され完全に発達した後に収穫されたものなのです。
しかし、もしギドラが復活したのであれば、いくつかの疑問が残ります。
例えば、ギドラが生きて存在するのに、なぜゴジラはそれを感知しなかったのでしょう?
また、ジョナのギドラに対する最終的な計画とは?
所有したギドラが完全に再生するまで待つことが出来たのだとしたら、APEXに頭蓋骨を2つも売る意味があったのでしょうか?
推測するに、ジョナは最終的に自分で機械化されたタイタンを作るつもりなのと、
APEXの2つの頭蓋骨を使ったメカゴジラの操縦方法が理に叶ったものなのかを確認したかったのではないでしょうか。
そして第三者を利用し、積極的に物事を推し進めさせる事により、
モナークがAPEXに注目する影で自分は暗躍し、
政府組織に捕まるリスクをも軽減出来ると考えたのではないかと。
以上
The Kaijuologist 氏のレポートです。さて、ここでジョナと思われる男が
シモンズに頭蓋骨を2つ持っていると告げた、「2つ」という意味 について、
ここでもジョナの計画が推察出来ると思ったのですが、
ジョナがAPEXに売り飛ばした再生ギドラの頭部は
地球に対する最終的な計画は
当初のまま、継続中なのです。